【前編】― 銀行とFP、2つの窓口で聞いた"変動金利のリアル" ―
🏦 前編:銀行窓口での相談シーン
📊 前提条件
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借入額:3,500万円(35年ローン)
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経過年数:5年
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現在の残債:約3,200万円
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当初金利:0.5% → 月々 約9.1万円
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125%ルール上限:約11.3万円(+2.2万円まで増額可能)
💬 相談の対話
お客様
「ニュースで日銀が金利を上げるって見て、すごく不安になって...。
うち、5年前に3,500万円を35年ローンで借りたんですけど、支払いが急に増えたりするんですか?」
銀行担当者
「ご心配ですよね。変動金利でお借り入れの場合、まず知っておいていただきたいのが
**"5年ルール"**というものがあります。
これによって、今すぐ来月から返済額が上がるということはありません。」
お客様
「あ、そうなんですか!じゃあ当分は今のまま払っていけば大丈夫ってことですね?」
銀行担当者
「そこが少し注意が必要なんです。確かに月々の返済額は5年間変わりません。
でも金利が上がると、その返済額の中の**"利息の割合"が増える**んです。」
お客様
「利息の割合が増える...?それってどういうことですか?」
銀行担当者
「例えば今、月々9.1万円のうち、1万円ちょっとが利息で、残りが元本返済に充てられています。
でも金利が上がると、同じ9.1万円でも利息が2万円、3万円と増えていって、
元本がなかなか減らなくなるんです。」
お客様
「えっ...それって、払ってるのにローンが減ってないってことですか?」
銀行担当者
「まさにその通りです。
さらに5年後の見直しでも、最大1.25倍までしか増やせないという**"125%ルール"があります。
お客様の場合、今の9.1万円から最大で11.3万円まで、つまり+2.2万円まで**しか増やせないんです。」
お客様
「じゃあそれ以上に金利が上がったら?」
銀行担当者
「そこが変動金利の最も怖いところなんです。
月々11.3万円まで増やしても、金利が高止まりすれば元本が減らず、
35年後の最終返済時にまとまった残債が残ってしまうんです。」
お客様
「最終的に残債が残る...!具体的にはどれくらいの金利でそうなるんですか?」
銀行担当者
「お客様の残債3,200万円、残り30年という条件でシミュレーションすると、
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金利2%まで:月々の増額(11.3万円)で完済可能
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金利2.5%程度:月々11.3万円払い続けても元本が十分に減らず、最後に約340万円の残債
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金利3%以上:最後に約800万円の一括返済が必要になる可能性
これは金利がずっと高止まりした場合の話ですが、
毎月は変わらないからこそ気づきにくい、変動金利の大きなリスクなんです。」
お客様
「毎月払ってるのに、最後にそんな大金が残るなんて...どうすればいいんでしょう?」
銀行担当者
「いくつか対策がありますよ。
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繰り上げ返済
余裕があるときに少しずつ元本を減らしておくと、金利上昇の影響を小さくできます。 -
固定金利への借り換え
今のうちに固定金利に切り替えれば、将来の返済額が確定します。
ただし今より金利が高くなる点は注意が必要です。 -
定期的な見直し
年に1回程度、残債と金利の状況を確認していただくことをおすすめします。
特に上昇傾向のときは、早めの対応が大切です。」
お客様
「わかりました。まずは現状を詳しく見てもらって、どの選択肢がいいか相談させてください。」
銀行担当者
「はい、ぜひそうしましょう。
変動金利は当初の金利が低いメリットがありますが、
こうしたリスクも理解した上で、計画的に備えていくことが大切ですね。」
📌 ポイントまとめ(銀行編)
✅ 5年ルール
金利が上がっても、返済額は5年間変わらない
⚠️ その代わり
利息の割合が増えて元本が減りにくくなる
🚨 125%ルール
5年後の見直しでも返済額は1.25倍までしか増やせない
💰 最終返済時のリスク
月々で元本を減らせないと、期間満了時に数百万円の残債が残る
🛡️ 主な対策
繰り上げ返済/固定金利への借り換え/定期的な見直し
【注意】個人により状況が違いますので、必ずプロへ直接ご相談ください
次回【後編】は、ファイナンシャルプランナーへ相談したお話です
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